相続事例:遺言書作成・手続き

印鑑

被相続人Aさんは未婚であり、配偶者、子供はなく、ご両親も既に死亡されており、兄弟姉妹による相続(実際には兄弟姉妹は全員死亡しており、甥・姪による代襲相続)となりました。

 

今回、代襲相続人のひとりであるBさんより相続手続きの相談依頼を受けておりましたが、後日になり被相続人Aさんが書いた自筆の遺言書が発見されたとの連絡があり、至急管轄の家庭裁判所に申立てをし、自筆証書遺言書の検認を済ませてもらうことといたしました。

 

 

その後、早速、検認済みの遺言書を拝見させてもらうと遺言書面には被相続人の押印はなく、遺言書封筒に封印のみ押されたものでありました。

 

このような「印のない自筆証書遺言書(封じ目に印あり)」の場合については、「遺言書本文の入れられた封筒の封じ目にされた押印をもって民法968条1項の押印の要件に欠けるところはないとした原審の判断は正当として是認することができる」と判例されています。(平成6年(オ)第83号遺言無効確認請求事件)

 

その判例趣旨に沿い、今回、各取引金融機関及び法務局にその遺言書の有効性についての説明を行い、検証依頼をお願いいたところ全先より「有効」との回答を得て、無事「印のない自筆遺言証書」による相続手続きを進めることが出来ました。

 

しかし、提出先によっては有効性に疑問を持ち、手続きに応じてくれないところもあるかも知れません。
Bさんも「せっかく遺言書を残してくれていたのに、もしかしたら形式違反で無効になったかもしれないと思うと、自筆証書遺言って怖いですね」とおっしゃっていました。

 

形式違反の心配のない公正証書遺言で遺言を残すメリットを、改めて感じたケースでした。

 

 

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