相続事例:遺言書作成・手続き

遺言を書く人

Aさんのご主人様(Xさん)が59歳の若さでお亡くなりになりました。目立った持病等はなく、突然死でした。Aさんは突然のご主人様の死に、茫然自失のご様子で無料相談にお越しになりました。

 

Xさんの主な相続財産はXさんのお父様から2年前に相続したご自宅です。Aさんと中学生のお子様(Bさん)、Xさんのお母様の3名で同居しています。

 

Xさんのお父様の相続の際に、二次相続を考えてXさんのお母様でなくXさんに移転登記をしたばかりでした。Xさんがこんなに早くお亡くなりになるとは誰も思っていなかったのです。

 

Xさんは再婚で、20年以上前に別れた前妻との間にお子様が二人(Cさん、Dさん)いらっしゃいます。

相続人は妻A、子B、前妻との子C及びDの4名様です。相続で不動産の名義を書き換えるには、相続人全員で遺産分割協議書が必要となります。自宅をAさん名義にしようとしても、CさんとDさんにご協力いただかなければなりません。 

 

しかし、Cさん、Dさんの連絡先が分からない状況でした。もちろんXさんがお亡くなりになったことも伝わっておりません。

 

当センターで調査した結果、Cさん、Dさんのご住所が分かりました。

まずはAさんよりお手紙でXさんがお亡くなりになったこと、相続手続にご協力をお願いしたいこと等をお伝えしていただきました。

 

しばらくして、Cさん、Dさんではなくその叔父に当たるという方から返事がきました。

その内容は、相続手続より前に、教育費が一部未納なので、先にそれを支払ってほしいというものでした。10年以上前の養育費を持ち出すなど、相続手続に対して容易には協力していただけない状況です。


相続手続へのご協力をお願いする立場上、債務の存否を争う、消滅時効を援用するなどの主張もできず、Aさんは対応に苦慮することとなってしまいました。

 

AさんやBさんへの相続をさせる旨の遺言があれば、このような場合でも、Cさん、Dさんに協力をお願いすることなく名義変更手続きを進めることができます。

Cさん、Dさんは遺留分を主張することは可能ですが、自宅不動産以外の財産から遺留分相当額を相続させる旨の遺言を遺すなどの配慮があればなおよいでしょう。

 

前妻(夫)との間にお子様がいらっしゃる場合など、遺産分割の難航が予想される場合は、「今すぐ」に遺言を遺すことが大切です。

 

 

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