相続事例:相続税申告

遺言書とメガネ

Aさんは、ご主人とご自身のご両親と二世帯で住んでいらっしゃいました。

この度、Aさんの実父が亡くなり、葬儀社さんに相続の相談をしていたそうです。

 

実母も数年前に亡くなっており、親族は妹さんとAさんの二人姉妹との事です。

当初は預金の解約手続きと、不動産の名義変更手続きのみであるのではということで手続きは進んでいきました。

 

当初の聞き取りでは、特に財産もなく贈与等もあまり記憶にないとの事でした。

しかし、手続きが進むにつれ、遺品の整理を行っていると、姉妹名義の申告書が出てきました。

 

その申告書は贈与税の申告であり、『相続時精算課税制度』を適用したものでありました。贈与を受けた財産は株券であり、相続時精算課税を適用しているために贈与税の支払いもありませんでした。

 

Aさんおよび妹さんに話しを聞くと、父が生前に株式を税金が掛からないようにして名義を変更するようなことを言っていたとの事。また、その当時の事を思い出して頂くと、税理士に依頼して申告をしたことを思い出して頂きました。

 

結果として、相続財産は基礎控除額を超えて相続税が発生することになりました。

 

幸い、早い段階で気がつき相続税申告の期限に余裕があったため、遺産分割を検討する時間にも余裕ができ、大きな問題にはなりませんでした。

 

実父がエンディングノートを書いており、財産の把握は出来ているつもりでしたが、過去の贈与が相続時に加算されることは、時の経過とともに記憶から薄れてしまっていました。

相続時精算課税制度をあまり深く理解しないで、その時の税金を掛からないようにする手段と思っている方が多いように思える事案でした。

 

贈与ひとつにしても専門家に相談して進めなければなりません。

 

 

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